
ブッダは一言も言わないで説教したと言われる。一輪の花の形態のなかに、曼荼羅、悟りが、万物に通ずる宇宙の相似系の地図が内包されているとして、一輪の花を聴衆に差し出しただけであった。これを『拈華微笑(ねんげみしょう)』という。 わたしが、連続し密集した草花というモチーフをつかって制作するのは、この花や植物の黄金律からなる形態を一つのセル(細胞)にみたて、わたしなりの曼荼羅を繰り返し組み立てているのである。 わたしが自らをD[di:]と称したのは、一つは、そういった世界への扉DOORとなるためだった。 わたしという個人は取っ払われ、記号、装置となった。 ゆえに、わたしはD[di:]なのである。
The DOOR 自分回帰/THE LETTER from the future, past, somewhere エキシビションステートメントより抜粋
「自分回帰」とは、どこに焦点を当て、何を意味しているのか。ぜひ会場に足を運んで、独自のペインティング様式から発せられる生命エネルギーとD[diː]のメッセージを直接感じてみてはいかがでしょうか?